初級者ダイバーのみなさんがオープンウォーターダイバーコースを終了して、ファンダイビングに行きはじめたときによく起こすトラブルについて考えてみたいと思う。
この記事を読み終わることには、初級者ダイバーの方が予めトラブルを予想して予防することも可能になる。
初級者であまりダイビング本数も少ないうちは、どうしても器材セッティングをする機会も多いわけではないので、タンクバルブの開け忘れのトラブルがある。
また、タンクバルブが開いているにも関わらず、開けようと思って逆の動作をしてしまい、タンクバルブを閉めて90度戻すというミスをおかしてしまう。これだと、エントリー時には空気は出るが、いざ、水中でレギュレーターから空気を吸おうとしたら、エアーが供給されない。
インストラクターやガイドは、バディチェックをしたかどうかの確認をするとは思うが、そのときにタンクバルブの再確認を必ずしよう。
特に、ボートダイビングのときには、器材をセッティングしてからボートに器材を積み込むことが多い。予防としては、自分の中でタンクバルブ開閉のルールを決めておくこと。
器材のセッティングをしたあと、空気の吸気をチャックしたら再度、タンクバルブを閉めてレギュレーターから空気を抜きボートに器材を乗せる。
そして、エントリー前に再度、タンクバルブを開けるというルーティングを決めておくと、ミスを防ぐことが可能だ。
初級者の方は、ビーチエントリーの際に海岸のゴロタのところで、バランスを崩してなかなか沖に行けない状況は経験ないだろうか。
ゴロタ(ごろた)とは。
波打ち際などに転がっている、波にもまれて角が削られ、丸みを帯びた石のこと。石といっても岩サイズのことも多い。ダイバーの足元を脅かす要注意の存在だ。
引用元:コトバンク
浅瀬のゴロタのところでは、波の影響も強いためバランスを崩しがちだ。転んでは立ち上がり、焦ってどんどんエアーも消費してしまう。
ゴロタで転んでしまったら、立ち上がらずに波に身を任せて沖に流れていく波がきたときに、一気にフィンキックをして沖に出よう。
ゴロタのところでは、足元が悪く転ぶものだと認識してしまおう。転ばないように転ばないようにすればするほど、転ぶものだ。
意識を転んでエントリーするつもりくらいが丁度いい。
潜降時に、耳抜きがうまくできない初級者ダイバーは多い。これは、中耳炎などのトラブルを除き耳抜きのメカニズムを理解していないことで耳抜きができない方が多い。
耳抜きは、力を入れて耳抜きをすれば良いということではない。また、耳抜きはマスクの上から鼻をつまむ等してして行うが、マスクの鼻部分だけをつまんでいる方も少なくない。
耳抜きでは、耳管にゆっくり空気を送り込むことを意識して行おう。また、耳が痛くなってからでは遅いので、耳抜きがうまくいかないと認識している方は、特に気圧の変化率が高い水深1mを特に気をつけて、また、水深10mまでは圧を少し感じたら耳抜きを行うようにしよう。
いつも耳抜きができる方でも、体調によって耳抜きがしづらいこともある。ダイビングをする前の日は、十分な休息を取るようこころがけよう。
中耳炎などの耳のトラブルで耳抜きがうまくできない場合は、耳鼻科医に相談をしてほしい。
耳抜きの詳しい方法については、後日、またお話したいと思う。
初級者ダイバーは、ひとつひとつのスキルがまだ上達していないことや中性浮力が上手に取れないことで目の前のことに必死でダイビングをしている。
そのため、透明度が悪い状態であったりきれいな熱帯魚に目を奪われて、水中でインストラクターやガイドを見失うこともある。
見失う事自体は、実は、あまり問題ではなくてその後の行動が問題を引き起こすことになり、非常に危険なパニックに陥るということになる。
初級者ダイバーが陥りやすいトラブルとその対処方法について、お話してきたが、少しの注意で多くのトラブルは回避できるということが分かったのではないだろうか。皆さんもダイビングの際は、トラブルを念頭において安全なダイビングを心がけていただきたい。