ダイビングでつながる世界

目指すはダイビングインストラクター試験!!

ダイビングインストラクター試験を目指して

〜素人がインストラクターにまでなった話vol.3〜
※これからのお話は、私がダイビングスタッフとして働いていた、2005〜2010年頃のダイビング業界の事情や体験談である。2017年現在のダイビング業界とは大きく異なるので、「昔はそうだったのか」という気持ちで捉えてほしい。
<Vol.1><vol.2>はこちら

ダイビングインストラクターを目指して1年で100本潜る!!

晴れてようやくショップスタッフの入り口に立った私の次のステップは、営業をこなしつつの、自身のスキルアップだった。だいたい、ショップスタッフとして潜り続けて、1年で100本潜る事がベースになり、インストラクター試験に挑戦する時期となる。
アドヴァンスド(PADI)相当のライセンスはトータルダイブ10本で取得できるので、その10倍潜ることになる。11本目からはプロコースと呼ばれるライセンスを取得しつつ、インストラクターの1つ前のライセンスまでを取る。そうやって、100本に近づけて行く。プール講習や海洋実習の空き時間を有効に使って、インストラクター試験の実技科目の練習をする。

ダイビングインストラクター試験の難関実技は800mフリッパー!

実技試験の中で、2度とやりたくないと、不人気No.1とNo.2がある。800mフリッパーと10m潜水だ。
800mフリッパーは、800mを規定時間内で水面を泳ぎ切ると合格となる。規定時間は、性別と年齢で、細かく秒刻みで決められている。ウェットスーツ、ウェイト、マスク、スノーケル、フィンと言ったスノーケリングの装備品を着けての計測となるのだが、海で800mの直線を取ることは難しい、そこで、50mのメジャーを海底に這わして、その間を折り返して8往復することとなる。ここで、気づいて欲しい事が1つある。海には、折り返す際の壁なんかない!ということは、50mをスピードを乗せて泳ぎ切って、折り返す際に、スピードを0にして、再度泳ぎ始める事になるのだ。そして、肝心のタイムは、試験官が「5分30秒経過」などとは言ってくれず、規定時間に対して「早すぎる、遅すぎる」だけなのである。具体的な経過時間も分からず、心が挫けそうになりながら、2度とやりたくない一心で挑戦するのだ。海に浸かりながら、身体が熱くなり汗をかくという不思議な経験をすることになった。もし、800mフリッパーを経験する事があれば、水面よりも少し下、スノーケルだけが海面から出る位置で泳ぐのがコツだ!

ダイビングインストラクター試験の難関科目

もう1つの難関は10m潜水!

潜水は得意な人、苦手な人で変わってくるが、素潜りとは違い、ウェットスーツを着てるので浮力がある。その浮力を打ち消すために、腰に重りをつけて潜るのだが、軽すぎると潜れず、重すぎると沈み過ぎて浮き上がれなくなる。普段、海で素潜りで遊んでもせいぜい5mぐらいまでだと思うが、それよりも深く潜ろうとすると、耳が痛くなるので、耳抜きが必要になる。沖縄などの透明度の高い海だと、10m先の水底が見えるので、勢いよくいけるのだが、透明度が低い海では水底が見えない。その中で不安を抱えながら潜ろうとすると、身体が拒絶して息が続かなくなる。落ち着けば何ともない海なのに潜れないのだ。この時に、ダイビングやスノーケリングはメンタルスポーツだと痛感する。10m潜水のコツは2つ。1つは、水面でどれだけ血中に酸素を取り入れるか。もう1つは、水面で予め耳抜きをしておく事。そうすると、5mを超えても耳が痛くなりにくく、スッと潜水できる。
ダイビングは本当にメンタルスポーツで、自分の心が強くなれば、落ち着いてトラブルにも対処できる。インストラクター試験は、この心を鍛える試験なのである。その心を鍛えた者がインストラクターになれるのである。
Safe Diving, Enjoy Diving!!

ついにきた!ダイビングインストラクター試験」に続く

Kamimura by
1982年生まれ。Kamimura家次男坊。既婚。 現在、平日はドッグトレーナー。休日はダイビングインストラクター。として活動。近い将来、夫婦で南の島へ移住計画中。終の住処は沖永良部の予定。ダイビングはもちろんSUPやヨガなども取り入れたライフワークを目指す。 Instagram ID:makanadive4291
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