海やプールの中で目を開けても、水の影響で視界はとても悪い。海に潜って目の前が見えないと不安を感じるだろう。その視界を確保するのがマスク。いわゆる軽器材3点セットのうちの1つで、シュノーケリングなどにも利用される。マイ器材として最初に揃える人も多い。
マスクは水泳のゴーグルと違い、視界用のレンズが大きく、鼻を覆うノーズポケットが付いていて、顔に当たるスカート部分が大きいのが特徴だ。ノーズポケットがあることでマスククリアが簡単にできるし、マスク内にかかる圧力を調節することができる。ゴーグルはそういったものが付いていないのでダイビングには不向きなのだ。
一口にマスクといっても、メーカーやデザイン、カラーでたくさんの種類があり、価格もピンからキリまである。初めてだと、どれを選んだらいいか分からないだろう。そういう時はダイビングショップに行って店員と相談するといい。
一番重要なのは、自分の顔にピッタリ合うフィット感だ。緩くてもキツくてもダイビング中のストレスになるので、ダイビングショップなどで試着して、丁度良いサイズのものを選びたい。
確認する方法は、ストラップを付けない状態で顔に当てサイズを確認してから、軽く鼻から息を吸い、手を離す。この時に上下左右に動かしても落下しなかったら、丁度良いサイズだ。
マスクには1眼タイプと2眼タイプがある。1眼タイプは、レンズ部分が1枚なので視界が広くとても見やすい。2眼タイプは、眼鏡のようにレンズが左右で別になっており、度付きレンズ「オプチカルレンズ」を装着できるので、目の悪い人でも見やすくなる。また、2眼は1眼より小さめなのでマスククリアがしやすく、フィット感も2眼の方が優れている。
視界を充分に確保したい人は1眼を、比較的小顔な人や目が悪い人は2眼を選ぶといいだろう。
最近ではカラーバリエーションが増えているので、フレームをどの色にするかというのも迷うところだ。色によって顔の印象や写真写りにも影響がある。例えば、暖色系は印象が明るく活発に、淡くなると印象が柔らかくなる。対して寒色系は、顔立ちがキリッとしますが海の中では見えにくいため、写真でも暖色系に比べ顔がぼやけた感じになる。
また、スカートにもクリアタイプとブラックやホワイトといった色つきある。クリアだと光がよく入るので視界が明るく顔の印象も明るくなるので、一般的にはクリアが多い。対してブラックシリコンを使ったものは、視界が制限され慣れないと使いづらいかもしれないが、目の前を集中して見ることができる。カメラマンやガイドなどのプロにブラックを選ぶ人が多いのはそのためだ。ここは好みで選ぶといい。
マスクをどういう基準で選ぶか、結局のところ予算と好みによる。元も子もない話だが、器材に不満を持っていてはダイビングもつまらなくなる。自分好みの器材で潜るとやはりテンションが違ってくるはずだ。
また、もし今までレンタルを利用していたのであれば、自分のマスクで潜ったらその違いが分かるだろう。フィット感が全然違うからだ。
マスクを通販で買うこともできるが、どうせならお店に行って試着をしてフィット感を確認したい。やはり自分の目で見て好みのデザインを選ぶのは楽しい。
色をウェットスーツなどと同系統に合わせたり、撮影に集中したい、あえて目立つ色にするなど、自分の個性や目的によって選ぶもいいだろう。
もちろん、予算によっては好みのデザインを選ぶことができないかもしれない。例え予算内でも妥協しない選択をして欲しいと思う。