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すべてのダイバーに知ってほしい!バディのトラブルを未然に防ぐ方法

バディーダイビング

あなたは、ダイビング中にバディに何かトラブルがあったら対応できるだろうか。できれば、トラブルを未然に防ぐ方法があったら、より安心してダイビングができるのではないだろうか。トラブルを防ぐには、トラブルを予見する力を身につけることだ。

ダイビングではダイビング中にトラブルが起きた時、一人では死の危険が高くなるため、二人一組で潜ることにより、その危険を防ぐことを目的として2人1組で潜るバディシステムが採用されている。起こり得るべきトラブルを事前に把握しておくことで、バディシステムでより安全なダイビングを楽しむことが出来るだろう。

バディの一般的なトラブルと未然に防ぐ方法

バディのトラブルを未然に防ぐには、バディが起こすであろうトラブルについて知っておく必要がある。

エントリーエキジットで転ぶ

ダイビングレベルにもよるが、まだ、初級者レベルだと足元がおぼつかないためにエントリーエキジットで転ぶことは良くある。

転びやすいという自覚があれば、波打ち際でフィンを履き波に身をあずけるようにエントリーするのもひとつの方法だ。そう、転ぶこと前提の対応をするということだ。

バディであるあなたは、予めエントリーエキジットの苦手意識を確認しておくことだ。

レギュレーターのフリーフロー

これは、レギュレーターの故障によってエアーが漏れる故障だが、バディ同士でしっかりとした器材チェックを行えば、未然に防ぐことができる。

万が一、バディにダイビング中、レギュレーターのフリーフローが起こったら、安全第一に考え、直ちにダイビングを中止してエキジットすることを考えよう。

マスクから水が入る

これもよくあるトラブルの一種だが、初級者の方は往々にして髪の毛がマスクのスカートとの間に挟まっていることが原因だ。

これも、潜水前のプレダイブセーフティチェックで未然に防ぐことが可能なので、しっかりと確認しよう。

それでも、ダイビング中に水が入ってくるようだったら、バディの目の前で安定した状態でマスクの脱着をしよう。

耳抜きができない

耳抜きが出来ない

潜水前にバディに耳抜きがし易いか、あるいは苦手意識があるのかの確認をするようにしよう。

また、その日の体調によっても耳抜きができないこともあるので、潜水前の体調チェックも忘れずに。

また、万が一、耳抜きがうまくできないようだったら、その日のダイビングを中止することも考えよう。

バディと離ればなれになる

バディと離れ離れになる

これは、意外にベテランダイバーでも犯しやすいトラブルなのだが、特にお互いに水中カメラをする場合は、撮影に夢中になってしまったために、バディと離ればなれになることが良くある。

バディシステムをしっかりと遵守して、相手を常にアイコンタクトするように心がけよう。

万が一、離ればなれになったとしても慌てず、お互いに「離ればなれになったときの対応(集合場所など)」をしっかりと話し合っておくことだ。離ればなれになったことが大きな問題ではなく、離ればなれになったことでパニックになることが問題なのだ。

エアー切れ

エア切れ

このエアー切れのトラブルは、自分のエアー消費量だけが問題でない場合もある。例えば、タンクのOリングが摩耗していて、レギュレータとの接続部分からエアーが漏れ出してしまい、意外にエアー切れのトラブルに見舞われる人もいる。

このときも、エアー切れが大きな問題ではなく、エアー切れはバディのバックアップ空気源を使えば、安全にエキジットすることが可能なのだ。

潜水前には、必ず、相手のバックアップ空気源がどのような種類か、また、使い方をマスターしてからエントリーしよう。

浮上する場所を間違う

浮上する場所を間違える

これも、お互いに慣れていない中で行うバディダイビングをする際に、良くあるトラブルだ。ビーチエントリーの際に、まだ、水中ナビゲーションが上手でないときに、思っていた場所よりかなり離れたところで浮上してしまうことがある。

エキジット場所に向かって潮の流れがある場合は、水面移動でエキジットポイントを目視しながら、戻るのもひとつの方法であるし、バディ同士で海況を判断しながら安全にエキジットしよう。

トラブルを予見する能力を身につける

この能力は、ダイビングインストラクターが身につけるべきものではある。その能力を一般ダイバーレベルでバディのトラブルを未然に防ぐためには必要なことをお話しよう。

また、トラブルが深刻になり事故に繋がってしまうのは、そのトラブルにバディがまったく気づいていないという特徴がある。

自動車教習所で、「だろう運転」ではなく、「かもしれない運転」をしようと習ったことはないだろうか。

ダイビングでこの「だろうダイビング」と「かもしれないダイビング」で置き換えてみよう。

「バディとは、離ればなれにならないだろう」→「バディと、離れてしまうかもしれない」

「バディの残圧は、まだ余裕があるだろう」→「バディの残圧は、もう少なくなっているかもしれない」

「バディは、ストレスを感じていないだろう」→「バディは、ストレスを感じているかもしれない」

この「かもしれないダイビング」を意識することで、よりバディのことを観察する意識を持つことができる。そして、トラブルを予見することも可能となる。

ストレスレベルを感じ取るには、一番はアイコンタクトだ。ストレスは行動で現れる前に、目に出るものだ。アイコンタクトができる位置関係を保つことを心がけよう。

バディのトラブルを未然に防ぐには

バディのトラブルを予見する能力について、お話しをしてきたがいかがだったろうか。

すべてのトラブルを想定内のトラブルにするために、バディ同士よく話し合うことが大切だ。そして、「かもしれないダイビング」を意識して、トラブルを予見できる能力を身に着けよう

川島 剛 by
19歳のころにダイビングにハマり、PADIオープンウォーターダイバー取得からわずか1年でPADIオープンウォーターインストラクターを取得。その後、PADI IDCインストラクターを立て続けに取得。現在は、タイの田舎町に移住しておりダイビングからは遠ざかっています。 お気に入りのダイブスポットはやはり、パラオ。ブルーコーナーの真っ青な海と潮の流れがしびれます。 ダイビングは、生涯スポーツとも言われています。年齢性別関係なく、楽しむことのできるレジャー・スポーツです。水中での体験は、非日常的でありエキサイティングなものです。 五十の手習い!タイの地で足るを知る ~崖っぷちの人生を豊かにする法則ブログ~を執筆中
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