ダイビングを始める前から、もしダイビングを始めたら絶対にやりたいと思っていたことがある。カメラで魚などを水中撮影するということだ。まさか本当にやることになるとは思っていなかったので、始めたときはワクワクした。海中をゆらゆらしたりのんびり生物を観察したいという人向きではないかもしれないが、ログ付けするときに魚の名前を調べたり、写真をきっかけにして話が広がったりするので是非ともお勧めしたい。ちなみにこの経験が、のちのち趣味として地上でもカメラを始めたきっかけだったかなと思う。
水中撮影というと、魚を撮るだけだし面白くなさそうと思われがちだが、起伏の激しい岩場や、日本庭園のような波紋の砂場、南の海に行けば珊瑚礁などある。最近では、海底遺跡といわれているスポットもあるので撮影していると楽しい。もちろん魚影やウミガメなど、多種多様な生物を撮影するのもいい。日の光が差し込む海中もとても綺麗に撮影できる。ガイドが撮影タイミングを教えてくれたりもするので、タイミングが分からないというカメラ初心者でもシャッターを押せばいい写真を撮ることができる。ダイビング初心者でもカメラ持参で海に潜る人は結構いるので、分からないことがあったら色々話を聞いてみるのもいいかもしれない。
水中撮影をしようと思い立ったら、ダイビングに対応したカメラを購入することになるわけだが、ダイビングショップや家電量販店などに行けば専用のカメラを売っていたりもするので足を運んでみるといい。しかし結構な値段するし、初心者だと扱いづらいかもしれない。そこで、防水プロテクター(ハウジングとも)対応のコンパクトデジカメの購入をお勧めする。防水プロテクターとは、普段使うデジカメに装着して、最大40メートルの水深まで持っていくことができるようにするケースのようなものだ。どのデジカメにもそういったアクセサリーを販売しているわけではないので、水中撮影もしたい場合は、別売りアクセサリーとして防水プロテクターあるかどうかを確認した方がいい。
ただ、お勧めはと聞かれてもそれほど詳しくないので、防水プロテクター対応のカメラを他社より揃えているオリンパスのデジカメはどうだろう、と言うことにしている。
いずれにせよ、撮影のストレスにならないように、操作性など自分に合ったメーカーの製品を選ぶことが大切だ。
水中撮影をするにあたり、気をつけて欲しいことがある。いい写真を撮りたいと思うあまり、魚礁を荒らすようなことはしないで欲しい。例えば珊瑚を折ったり落書きしたりと、身勝手な人もいる。海の環境を悪くするような行為をしないのがダイバーの勤めだと思う。
あと、水中撮影をしていると、魚がいる方向に泳いでいってしまう人が少なからずいる。
これは、カメラ撮影していない人にも言えることだが、バディやガイドから離れて勝手な行動をしては絶対にいけない。一人いなくなると、ガイドが他のダイバーを待たせて捜索しなければならない。ある意味団体行動であるダイビングにおいて、他の人に迷惑をかけることはしてはいけない。また、特に初心者ダイバーだと仲間からはぐれてパニックになったり、仲間を探そうとして更に遠くにいってしまったりする。そういう行動は、海の中では命の危険さえあるのだ。
そのようなことにならないように、バディやガイドの存在を認識しつつ、海の中の幻想的な風景や魚を撮影して欲しいと思う。
潜ってのんびりゆらゆらするもよし、魚や海の中の風景を撮影するもよし、それがダイビングだ。