本州において最大のダイビングエリアといえば、静岡県の伊豆半島を挙げる人は多いだろう。伊豆半島は全体にダイビングスポットが点在しているので飽きることがない、日本有数のダイビングエリアだ。今回は特に、初心者にお勧めの伊豆半島の根元にある、西伊豆の大瀬崎(おせざき)というダイビングスポットのポイントをいくつか紹介していこうと思う。
伊豆半島の一番根元にあるのが大瀬崎の湾内だ。浜から歩いてそのままエントリーするのだが、波が比較的静かなので初心者でもエントリーしやすい。潜ってすぐにガンガゼ(ウニの仲間、毒がある)の長いトゲの上を慎重に進んでいくと、たくさんの魚が待ち構えている。天候の影響もほとんど受けないので、余程のことがないとクローズしないポイントである。台風が接近していても潜れたりするのだ。そのため、天候の影響を受けやすい東伊豆のスポットがクローズしたときの変更先としてもよく利用されている。
アオリイカの産卵スポットや、タイヤなども沈んでいて、海底マップ面白い。また、大瀬崎で唯一ナイトダイビングができるスポットでもある。夜は夜光虫の影響で何とも幻想的なダイビングを楽しむことができる。海が落ち着いた早朝ダイブもできるので、もぐり三昧できるスポットだ。
ここではダイビング講習が行われることが多いので、ダイビングをする人にはよく知られているスポットだ。
外海は大きな岩場からエントリーする上に、時間によっては波も荒くなるため、ガイドは潜れる状態かを慎重に見極める。ある程度経験を積んだダイバーが潜る場所だ。
あいにく運がなかったので遭遇したことはないのだが、運が良ければマンボウが見られるそうだ。また、珍しい生物も多く見られる。ある程度自信が付いたら是非チャレンジして欲しいポイントが多く存在する。
天気に左右されやすく、クローズの多いので、潜るには何かと運が必要なポイントでもある。
ここは土日祝日のみ潜ることができるポイントで、エントリーの場所に行くために通る大瀬神社の拝観料が必要になるが、それ以上に行く価値はある魚影が豊富なポイントである。ハンマーヘッドやマンタなどの大きな魚を見ることができるし、回遊魚などもいるので飽きることはない。流れが速いところがあるので、エントリーにはコツがいるかも知れないが、大瀬崎のよさを一番感じることができるポイントではないだろうか。
大瀬崎を大きく湾内、外海、先端の3ヶ所に分けてみた。湾内は天候に左右されることなく、初心者も経験者も楽しめ、講習も行われる穏やかなポイント、外海はエントリーポイントも多く、多彩な生物が楽しめる経験者向けのポイント、先端は土日祝日限定だが、多くの魚影が楽しめるポイントだ。大瀬崎は、伊豆半島を代表するダイビングスポットと言っても過言ではないだろう。併設されているダイビングショップでは、近隣で捕れた魚を使った料理も提供しているので、ダイビングの後も食事で楽しむことができる。
海外などのリゾートでしかダイビングをしたことがない人にとっては、海の透明度や海底の色合いなどに物足りなさを感じるかも知れない。しかし、日本には伊豆半島だけではなく、意外にもダイビングスポットは多い。近隣のダイビングショップが講習を行う場所は大体大瀬崎だ。まずは講習で湾内を潜って、大瀬崎の魅力を体験して欲しい。そしてCカードを取得して経験を積んだら、外海や先端のポイントも楽しんで欲しい。
初心者も経験者も楽しめるダイビングスポット、それが大瀬崎だ。