ボートダイビングはビーチからのエントリに比べて、重い器材を背負って歩いたりする必要もなく目指すポイントに楽にたどり着くことが出来るお勧めのダイビング方法だ。だが、一度も経験したことのない人にとっては少し敷居が高いのではないのだろうか?ここではボートダイビング初心者があまり知らない注意点をまとめてみた。ぜひボートダイビングにチャレンジしてみて欲しい。
ボートダイビングは、沖まで行くことがしばしば。長ければ片道1時間ぐらいのクルーズとなる。大きなダイビングショップのボートなら水洗トイレが常備されていることもあるのだが、小さい漁船だと屋根もないことがある。トイレは必ず済ませておこう。また、水洗トイレでも操行中に海に垂れ流すシステムのトイレもある。トイレットペーパーは海に流さずトイレ常設のゴミ箱に捨てるようにしよう。綺麗なポイントにトイレットペーパーが漂う事態となってしまう。
船酔いする人は必ず乗船時間を逆算して酔い止めを飲むようにしよう。乗船中はスマートフォンを見たりせず、進行方向の遠くの景色を見るようにすること。また、日焼け止めは必須だ。日に焼けないようにするだけではなく、海水がしみたり、ウェットスーツが擦れて痛くなったりして、次の日のイベントを楽しめなくなってしまうこともある。
ボートは揺れが激しく波しぶきがかかるので、濡れてはいけないものはなるべく持ち込まないようにしよう。どうしてもの時は、防水バックをもっていくこと。鍵なども入れる必要があるので、キーホルダーやチャックが付いてるものにすると心強い。大きな船なら操舵室においてくれることもあるので確認しよう。
<h2>船上で気を付ける事</h2>
器材の運搬はショップ店員がやってくれるかもしれないが、自分でする場合はタンクは倒して栓は閉めておく。またBCはなるべく折り畳み、ホースやフィン、マスクはBCの中に入れておく。人気のブランドの場合は同じ器材の人が必ずいるので、自分のものとわかるよう名前やマークを入れておこう。
ガイドのブリーフィングは必ず聞くこと。集合場所は水面ロープ辺りなのか、潜行してアンカー付近なのか必ず確認する。潜行に時間がかかる人は、周りが潜行し始めて焦ってしまい、パニックになりかねない。ロープをたどって潜行する人は、ロープに貝が付いていて怪我をすることもあるのでグローブは必須だ。もちろん軍手でもよい。またポイントは地形なのか、魚なのかもきちんと確認したい。カメラを持っていくべきなのか、ライトがいるのか、その場で判断しよう。
<h2>エントリ・エグジットで気を付ける事</h2>
ボートの上で揺れながらの器材を背負うのは難しいが、エントリは混むので素早く準備する。バディに助けてもらいながら背負うと早い。ただバディが初心者の場合は手伝ってもらうほうが遅くなるので、ボートの縁など段差を利用して背負う。タンクより自分が低いところに行ければスムーズにBCを着ることができる。マスクの曇り止めは必ずすること。
船の後部にエグジット場所があるボートもあるが、水深が浅いポイントや混雑するので早くエントリしたい場合は船の横側からバックロールエントリをする。最初は心配だが、慣れれば潜行も早いのでぜひこのスキルを身に着けよう。水面集合の場合はBCにエアを入れておくこと。またホースが船に引っかからないようしっかりお腹側に寄せておくこと。マスクに水が入ると慌ててしまうので、マスクはしっかり手で押さえ、マウスピースも改めてしっかり銜える。
水中ではビーチダイビングとあまり変わらないが、ドリフトダイビングの場合は急浮上して船のスクリューに巻き込まれたりしないようウェイトはいつもより少し重めがいいかもしれない。心配なら海底の石をBCに入れてもいい。
エグジットは素早く上がらないと海面で待機している人が疲弊してしまい事故につながりかねないので気を付ける。
船に上がったら素早くフィンを脱ぎ船の奥まで行ってから器材を降ろす。後ろの人が船上に上がりやすくするためだ。器材を置いたらタンクの栓を閉め、横に寝かし、BCの中に自分の軽器材を入れる。カメラを持っていった人は塩抜きする。これらはショップや船によって異なるので、必ずショップの説明を聞くこと。
ボートダイビングを一度経験すると、もうビーチからのエントリには戻れないかもしれない。ビーチダイビングに比べ体力の消耗も少なく、また休憩時間はボートから海に飛び込んだりフリーダイビングをして過ごすツワモノもいる。ボートダイビングを楽しく行うためにも、船上のマナーを守り、安全には気を配りたい。