ダイビングを行う際に、初期のスキルで最も気になるのは中性浮力だろう。しかし、中性浮力よりも何よりも、まず「潜れない」ことにはダイビングはできないのだ。初心者ダイバーには、なかなかスムーズに潜行できない、と言う人はとても多い。素早く潜行できるよう、自分のエントリースタイルを見つけよう。
何は無くともダイビングをするには、まず潜行がスムーズにできなくては話にならない。ボートダイビングで潜行ロープを伝いながらのダイビングをしているばかりでは、海の入り口に自ら入ることができない事と同じかもしれない。
リゾートやボートダイビングばかりしているダイバーには、自力でエントリーできない人も多くいるのではないだろうか。だからといって、エントリーがスムーズにできるよう、ウェイトを多く身に着けてしまうと、エアの消費も早くなりがちだし、中性浮力も取りにくい。
本数を重ねるごとに、貴重な潜行ロープは初心者優先にしたい気持ちになるもの。そこで、スムーズにエントリーできる方法を身につけよう。
学科で習うエントリー方法は、まずフィートファーストだ。BCのエアを抜ききって、足から水中に潜る方法なのだが、このフィートファースト、体重の軽い女性や小柄な男性にはなかなか難しい方法なのだ。
初心者クラスのチームの場合、全員がエントリーするまでにかなりの時間がかかり、ダイビングを行う時間が少なくなってしまうのは良くありがち。時には業を煮やしたインストラクターに、頭を押さえつけられてエントリーなんてこともよくある光景。
1人前のダイバーというのなら、スムーズにエントリーしたいもの。ここでお勧めなのは、学科ではあまり勧められないヘッドファーストでのエントリーだ。前周りの要領で、くるんと頭を下に向ければ、後は体重と機材の重みで簡単に潜行することができる。
初心者のうちは、水中にすでにいるダイバーやその他の危険に会わないようにフィートファーストを勧められるが、エントリー前に水中をしっかり危険が無いことを確認してヘッドファーストで潜行すれば、驚くほど簡単に沈むことができるのでオススメだ。
初心者に近いダイバーが多いボートダイブでは、潜行ロープの順番待ちがとにかく長い。勢い自力で潜行できる上級ダイバーは待ちぼうけを食らうのはよくあること。しかしながら、かなりの上級になると、学科のテキストには絶対記載されないエントリー方法がある。
それは、ぱんぱんに膨らまされたタンク付のBCを先に海に投げてしまうこと、だ。
もちろん、絶対オススメできない方法なのだが、水中脱着が確実にできるスキルが身についてから、私(たち)が時々インストラクターに「ヤ」られてしまったのがこの方法。
エアを目いっぱい入れたBCは、タンクを装着しても水面に浮く。先にそのBCを投げ入れておいて、軽機材を装着してBCにたどり着き、水中脱着ならぬ水面装着を行うのだ。後はエアを抜いて、そのまま集合地点へと潜行する。この程度のことができるようになると、潜行ロープ組が集合するまで、アンカー付近でしばし一人遊びもできて、時間を有効に使うことができる。
まずは、スムーズにエントリーできること、を目標にして、中性浮力はその後の課題にした方がいいかもしれない。
余談になるが、私はボートダイブのバックロールがどうも苦手。前方が見えない状態で水中に入るのが怖いのだ。初心者のころ、バックロールで入った拍子にマスクが取れてしまったトラウマがあるからかもしれない。そんな苦手を持っている人でも、先にガイドやインストラクターに申告しておけば、ジャイアントエントリー等の他の方法でのエントリーを選択してくれるのでご安心を!