ダイビングでつながる世界

黒潮ブルーの海に溶ける女二人旅!三宅島~前編~

黒潮ブルー

東京都から南に175㎞、伊豆大島の南57㎞に位置する三宅島。約1万~15万年前に、この付近の海底で噴火が始まり、島が形成されたと言われている。2000年の噴火を記憶されている方も多いだろう。前編・後編に渡り三宅島の魅力について語りたいと思う。

三宅島までの交通手段

以前は東京・羽田空港から三宅島までの運航があったのだが、現在は、竹芝桟橋からの客船か、調布空港から新中央航空が三宅島まで就航しているため、このどちらかの交通手段を利用することになる。座席数19席というプロペラの付いた可愛い小型の飛行機(ドルニエ228)で約40分のフライトを楽しめる。東京からわずかな時間で現地に向かえるのは、疲労も少なく、かなり嬉しい。しかも、お財布にも優しい。今回の三宅島へのダイビングは、仕事に心も身体も疲れ果てた女子二人旅。癒しのみを追い求めた二人には、ぴったりの旅になった。

女二人の強欲を満たしてくれる三宅島の海

三宅島の海はフィリピン近海からの暖かい黒潮の影響で、熱帯の海の環境が保たれている。温帯気候でありながら、熱帯の海が楽しめる面白い島なのだ。そのため、テーブルサンゴの群生や熱帯性の魚、大型回遊魚、ウミウシやウミガメとも出遭えるチャンスが多い。そして何より、火山島ならではの、海の中まで流れついた溶岩が作り出すアーチやドロップオフといった地形も堪能できるのだ。

大久保浜

本当にビーチエントリーだっけ?と疑いたくなるようなポンント“大久保浜”。巨大な岩壁の根に沿いながら、優雅に周遊。陸では、仕事の悩みや愚痴でお喋りが止まらない女子二人だが、海の中では、自然の大きさに身を任せ、静かに心を解放していた。ウミガメはしばらく私達の相手をしてくれた。ふわふわと泳ぐ姿は、どこか滑稽で可愛らしい。なぜにあんな重そうな甲羅を背負っているのか、不思議な生物だ。去っていくウミガメの姿を眺めながら、同僚はずっとウミガメに手を振っていた。同僚が、最近自分を振った彼氏を思い出してやしないかと、少し余計な心配をしてみた。そのことを陸に戻ってから同僚に伝えたら、「余計な妄想しなくてよろしい!」と笑って叱ってくれたのが嬉しかった。砂に身を隠すヒラメを見つけたが、同僚に合図を送った時には、もう居なかったので、何も居なかったことにした。

三宅島のウミガメ

学校下

ポイント名“学校下”だから、きっとお魚がいっぱいいるポイントに違いない、と勝手に“メダガの学校”をイメージしていた私達。実は、1983年の噴火で溶岩に飲み込まれた学校の近くにエントリーする場所があるため、この名が付けられたらしい。学校は現在も噴火の生々しさを後世に伝えるため、そのままの状態で保管されている。まさに、地球の脅威を感じられるポイントだ。

日頃、仕事で体力を使うため、休暇はなるべく体力を使いたくない二人だったが、エントリーするまで重いタンクを背負い、そして岩場を下り、トンネルをくぐりやっと辿り着いた。洞窟好きの地形派ダイバーの私は若干興奮気味だった。エントリーすると岩場が続き、しばらく沖に進むと水深20mほどのドロップオフが現れる。カンパチの群れに遭遇でき、シンデレラウミウシを見つけることもできた。まさにダイビングの端から端まで堪能したような大満足の1本だった。食事の際、刺身の盛り合わせを食べながら、「寿司屋の水槽だ」とか「シンデレラウミウシはブスか美人か」などとくだらない話をしながら、楽しい時間を過ごした。
宿泊施設へ向かう途中のメガネ岩の背に見た夕日は、二人を応援してくれているような、慰めてくれているような、そんな風に感じながら三宅島の1日目を終えた。

次回、後編へ続く。

Angelique by
航空会社の元客室乗務員。現在、ライターとして活動中。 幼い頃に海中映像に心を奪われ、PADIオープンウォーターダイバー取得。 リゾートダイバーとして世界の海を渡り、8年のブランクを経た後、ダイバーとして復活。現在では、沖縄・四国・和歌山を中心に多くの趣味の合間にダイビングを楽しんでいます。お気に入りのダイブスポットは沖縄県宮古島。陸でも海でも洞窟が大好きな地形派ダイバーです。
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