おそらく、このタイトル、男性ダイバーなら「はい?」といった感じだろう。
“アリエル”というのは、ディズニー映画のプリンセスのうちの1人。映画“リトルマーメード”のヒロイン“アリエル”が、陸の世界に憧れ、海辺の王国の王子に恋するという人魚姫のお話だ。ということで、今回は、ダイバーならディズニーランドでダイビングができるという信じられないような本当の話をしたいと思う。
「ディズニーランドでダイビングって、ディズニーランドのアルバイト?アトラクション会場のお掃除ダイバー?」
と、思われた方も多いだろう。いやいや、時々、本物のミッキーもダイビングしているらしい。実は、ディズニーランドといっても、ディズニーワールドのお話。アメリカのフロリダ州にあるウォルトディズニーワールドリゾートにあるアトラクションの1つとしてダイビングを体験することができるのだ。さすが、ディズニーワールド!規模が違う。なにしろ東京の山手線一周で囲んだ面積と同じ広さの敷地に、ゴルフ場やリゾートホテル、レースサーキット、いくつものディズニーパークも抱え込んでいるのだ。そう聞くと、ダイビングができるといっても不思議ではない。もちろん、ライセンスを持っていることは必須だ。
ウォルトディズニーワールドリゾートの公式サイトによると、Epcot Seas Adventures(エプコット・シー・アドベンチャー)というテーマパークの中のリビング・シー館内にある、DiveQuest(ダイブクエスト)というアトラクションらしい。10代の子どもから大人まで楽しめるアトラクションだ。値段は、パスポートとは別でUSD $179.00(約40分)。高いのか安いのか、それはダイバーの価値観次第だ!
世界最大級の水槽でのダイビングは、もちろん天候や水温も安定しているため、子どもでも安心して潜れる。運が良ければ、ミッキーと泳げるかもしれないと思うと、子どものテンションは急上昇。もはや関心は、魚以上にミッキーに向けられるかもしれない。人工的な食物連鎖を考えた巨大水槽だからこそ、様々な魚達にも出会える。大人ダイバーも、いろんなポイントに潜りにいっても、なかなかお目当ての魚に出会ないことも少なくないと考えると、少し贅沢な特別アトラクションになるかもしれない。
巨大水槽の中には、透明なガラスをひっくり返した小さなエアドームが設置されている。そこで、マスクとレギュレーターを外し、海の中を背景に写真撮影ができるというのも、ディズニーらしい粋な配慮だ。
実は、国内でも水槽ダイビングをできる場所はある。不定期で行われていたり、冬限定であったりする場合もあるが、ジンベイザメやイルカと一緒に泳ぐことを体験させてくれるところもあるらしい。魚へのストレスなどを考えると、ダイバーの中には反対の声も上がりそうだが、釣り人がたまに生簀(いけす)で釣りをする楽しみがあるように、それはそれで、楽しめるのではないかと思う。確かに、少しズルイ気もするが・・・。しかし、ダイバーは、もうすでに、ダイビングに付随した様々な楽しみ方を知っているだろう。なかなか出会えなかった大物に出会えた感動を味わったこともあるかもしれない。仲間と感動を共有できる幸せを知っているかもしれない。ミッキーと一緒にダイビングすることを夢見るダイバーがいてもおかしくはない。それぞれの楽しみ方があることを、ダイバーなら知っているはずだ。
しかし、どうしても疑問に思うことが一つ。ミッキーの中身はどうやって耳抜きやマスククリアをしているのだろうか。視界はどのくらい保てているのだろうか。確かに自動耳抜きができるダイバーは知っているが、同じダイバーとして尊敬してしまう。日本の有名着ぐるみダイバー“ガチャピン”も謎だったが、さすが、プロのダイバーだ。凄いぞ、中身のダイバーさん!これからも、多くの人に夢を与え続けて欲しい。