上級者ダイバー、ベテランダイバーと聞くとあなたはどんなダイバー像を想像するだろうか。中性浮力が完璧?!他人の面倒を見てくれる?!人によっても捉え方は変わるだろう。中級者ダイバーが上級者ダイバーになるために必要なことについて、話しをしていきたい。
まずは、以前お話した中級者ダイバーの条件をおさらいしておこう。
上記が、中級者ダイバーとしての条件だが、上級者ダイバーの条件とはいったいどのようなものだのだろうか。
ぼくらインストラクターが日々、ファンダイブツアーを開催するときには、様々なランクやタイプの人とダイビングを共にしている。この人、ダイビング上手だなと思える人は多いのだが、上級者と呼べる人は一握りしかいない。
中級者ダイバーと上級者ダイバーとの壁には、下記のような壁があると思われる。
それでは、ひとつひとつ上級者ダイバーの条件を見ていこう。
注意していただきたいのは、中級者ダイバーとしての条件をクリアして、初めて上級者ダイバーとなるベースがあると言う点だ。
ダイビングスキルが上手なのは中級者ダイバーで、上級者はダイビングスキルがより洗練されたものでなくてはならない。
例えば、中性浮力だが砂地で、砂地の上10cmでピタッと止まることはできるだろうか。上級者であればそのくらいは朝飯前のはずだ。
ボートダイビングのエキジットの際に、器材脱着も瞬時にできるだろうか。
自分のナビゲーションで、バディダイビングができないようでは上級者とは呼べない。ダイビングインストラクターの試験を受けに来るダイブマスターでも経験が少なくナビゲーションスキルが不十分な人も多い。
自分のダイビングに責任を持ちつことができて初めて、上級者ダイバーと言えるだろう。
自分のストレスをコントロールできるのはもちろんのこと、他のダイバーのストレスを察知できる能力も問われる。例えば、マスク越しの目を見てあなたはその人のストレス具合を把握できるだろうか。
他人のストレスの兆候を見逃さず、安全なダイビングに寄与できるのが上級者ダイバーと言えるだろう。
例えば、ダイビング前にマスクのストラップが切れたときに、予備を持っておくなど対応することができるか。これは、自分に対してだけではなく他人にも対応できなくてはならない。
器材のメンテナンスも常日頃からしっかりと行っているだろうか。器材スペシャルティくらいのメンテナンスはできないと話にならない。
ダイブマスターの基本スキルの中には、水中での器材脱着などのストレスをかけた中でのダイビングスキルがある。ストレスがかかっている状況下でも適切にスキルをこなすことができるかというチェックだ。
ただし、このダイブマスター資格はあくまで目安と考えていただきたい。ダイビングスキルに経験本数なども加味して、尚且つ、上記のようなスキルをマスターした上で、海に対して礼儀正しい人が上級者ダイバーとしての資格があると思う。
中級者ダイバーが上級者ダイバーになるために必要な5つのことについて話しをしてきたが、いかがだったろうか。
上級者ダイバーとして認められるためにはスキルの上達だけではなく、海に対して礼儀正しい人(ルールを守れる)かどうかも最重要項目だ。
あなたも、折角ダイビングを始めたのなら、上級者ダイバーを目指してはいかがだろうか。