ダイビングオーシャンブルー

ダイビング器材はいつまでもつか?軽器材編

ダイビングショップのインストラクターをしていた頃に、器材販売の営業トークで「器材は一生モノ」「一生使えるから、短い目で見るのではなく長い目で考えると揃える価値がある」という言葉をよく聞いていたし、実際に自分でも使っていたが、実際のところはどうなのか?全て私の体験を元に解説していく。

マスク、フィン、などダイビング軽器材の耐久性

軽器材と言われるものは、マスク、スノーケル、グローブ、ブーツ、フィン、メッシュバッグがよく6点セットでネットでも販売されている。早速それぞれを見ていこう。

マスク

最近ではシリコン素材のマスクが主流になっているので、およそ10?15年は確実に使えるものが多い。ただし、経年劣化によるシリコンの変色や硬化は確実に進行するが、このシリコンが切れたり、割れたりという事はあまり聞かない。それよりも、扱いが悪いと、レンズを抑えてるフレーム部分やマスクストラップ調整パーツを破損するダイバーが多く、新しいマスクに交換するダイバーが多い。

スノーケル

マスク同様シリコン素材で10?15年は使える。経年劣化もマスク同様に進む。破損しそうな部分は強いてあげるなら、蛇腹部分が千切れやすくなるように感じる。

グローブ

グローブは経年劣化よりも、中性浮力が上手く取れるかどうかで変わってくる。同時期にグローブを買ったゲストさんで、中性浮力が下手な人は、岩場に手をついて姿勢やバランスを取るので、その分痛みが激しい。結果、同じ本数を潜っていても、グローブの痛み、特に親指、人差し指に差が出る。中性浮力がきちんと取れていれば、1番長持ちする器材かもしれない。

ブーツ

ブーツも経年劣化よりも本数劣化の器材だ。ブーツ単体での劣化はあまり少ないが、フィンワーク(フィンの蹴り方)、フィンストラップの締め付け、保管時の型崩れといったことが原因で痛む事が多いと。何事もなければグローブ同様に長持ちするするだろう。

フィン

素材は主に2種類。ゴム素材とプラ素材。単純に経年劣化だけを考えると、ゴム素材の方が劣化はしやすい。
ゴム素材のフィンで、劣化しやすいのは、足を入れるポケットの甲の部分の筋切れ、履く時に踵をひっくり返すので踵部分の切れ、使い込む事によるブレードのネバリが弱くなりキック力の減少の3つがよく挙げられる。ゴム素材の寿命は、体感で、早いもので2?3年、長いものでも5年程だと考えられる。使用歴が長いものはキック力の低下で買い換えるダイバーが多い。
プラ素材のフィンで1番劣化が激しいのは、フィンストラップやバックル部分が多い。ブレード自体は長持ちする。私も先日、10年程使っていたフィンのストラップが切れた。フィンを履く時に、いつもの様にストラップを引っ張るとブチンと見事に千切れた。他にも亀裂がないか確認したところ、細かい筋切れが多かった。バックル部分は、ビーチダイビング後に砂利が入り込み、そのまま無理に開け閉めして破損したりする初心者ダイバーが多い。フィンそのものよりも、足回り付近のトラブルが多い。

メッシュバッグ

器材を持ち運ぶのに、通気性を上げるために、底面や側面をメッシュ状にしているので、この部分を何かに引っ掛けて破いてしまう事が多い。また、器材の塩抜きがしっかりできていないと、チャック部分に海水が染み込みチャックに塩が噛み開かなくなることもある。バッグそのものは、マスク同様に長持ちする。

今回は、軽器材に焦点をあてたが、どの器材もダイビング後には、メーカー推奨のメンテナンス方法や保管方法を徹底して守る様にしよう!

おまけコラム・レンタル器材の使用歴って?

ダイビングを始めた頃は、ショップさんが用意するレンタル器材にお世話になったダイバーは多いだろう。では、そのお世話になった器材達はどこから来たのか?それは、スタッフやゲストさんが、新しく器材を買い換えた際や、諸事情で器材を手放す際に、古い器材を下取りし、レンタル器材として再活用しているのだ。その結果、3~10年と使用歴がある器材がレンタル器材には多いのである。レンタル器材をしっかりとメンテナンスしてるショップさんは優良ショップさんだと言えるだろう。