ダイビングオーシャンブルー

ショップスタッフの給料事情!都市型編

前回は「ショップスタッフの給料事情!現地サービス型編」だったので、今回は「都市型ショップ」について話していく。最近はおしゃれな都市型のショップさんが多く、一見するとカフェのようでダイビングショップとは思えない店構えだったりする。現地サービス型と都市型の違いは何かというと、主力商品が違ってくる。現地サービス型はファンダイビングを主力にし、都市型はライセンス講習を主力にしている。まずは、都市型ショップの仕事について見ていこう。

都市型ショップのスタッフは営業マン

ライセンスを主力商品として扱っているが、みなさんはライセンスがいくつあるかご存知だろうか?初級ライセンスとインストラクターライセンス以外にも、アドバンスドオープンウォーター、ダイブマスター(共にPADI)ぐらいは聞いた事があるかもしれないが、それ以外にも、水中写真や海洋生物、ドリフト、ディープ、レスキューなど専門分野のライセンスも合わせると、ログブックのライセンスホルダーに収まらなくなる程のライセンスの種類はある。ゲストさんの理想のダイビングイメージを聞き取り、そのイメージを実現させる為に、ライセンスの提案や器材、ファンダイビングの提案を行い申し込みをもらう事が、都市型ショップスタッフのメインの仕事となる。

都市型も負けていないハードスケジュール

ライセンス講習の申し込みをもらえば、当然納品をしなければならない。ライセンス講習の納品は、ゲストさんの手元にライセンスが届くことで完了する。初級ライセンス取得の流れをおさらいしておくと、

学科講習→プール講習→海洋実習→ライセンス申請→ライセンス発行

という流れになる。その中でも海洋実習は1日仕事なので、なかなかなスケジュールだ。

前日までに、器材準備、現地サービス手配、インストラクター手配、などを済ませ、当日は早朝6:30頃には出勤し、1日のスケジュールを確認する。確認を済ませ海洋実習地まで、自身で運転し約2~3時間の車移動。現地に着き次第、受付やゲストさんの到着確認や必要書類の記入、器材セッティング、お昼前から夕方前まで2~4本スクールを回し(1本約25~40分)、ログ付け、器材片付けをし、夕方には現地サービスを後にして、再び約2~3時間の車移動。店に帰って来れば、ライセンス申請や、次の海洋実習の予定などのスケジュールを決め。夜8~9時にはゲストさんが全て帰るのを見届けてから、報告書や器材、車の片付けをして、夜10時過ぎに店を閉めて終了となる。時にはそのままゲストさんとご飯や飲みに繰り出すこともある。その際のお酒は格段に美味い!!

ゴールデンウィークやお盆などの、高速道路が混み合う時期には、通常の倍以上の時間を運転をする事になる。また、連休だと翌日も海洋実習が入っていたりする。私がショップに勤めていた頃は、ゴールデンウィークに日帰り海洋実習5連勤で、最終日のボートで窒素酔いを起こしたことがある。流石にその時は、会社に負担が大き過ぎると要望を出し、翌年からスタッフを増員してくれるようになった。海洋実習はもちろん楽しくて良いのだが、勤務時間というくくりで考えると、朝から晩まで約12?15時間、連休時は15?18時間勤務になったりする。

それでは、上記の様な事を踏まえて、ここからが、本題の給与事情について。
都市型のスタッフへの給与は総支給額でおおよその相場は以下のようになる

見習い(イントラ資格無し)-16万前後
イントラ1年目-18万前後
イントラ役職-20万前後
経営者-30万~

と、一見羽振りが良さそうに見える業界でも、スタッフの給料はそこまで良いとは言えないのが現状なのである。

ダイビング業界で夢は見れないのか?

それでも、自分の手元に現金を残す方法が無いわけではない。それは、覚悟を決めて独立して経営者になってしまうことだ。軌道に乗るまでは、のれん分けやフランチャイズに近い形で、売上の何%かを支払う事で、協力してくれるショップさんのシステムを使わせてもらい、下準備を整えよう。信用できるスタッフを育てて、店を構えれるぐらいにまで成長することができれば、手元に残る給料は比べものにならないだろう。