〜素人がインストラクターにまでなった話vol.5〜
※これからのお話は、私がダイビングスタッフとして働いていた、2005〜2010年頃のダイビング業界の事情や体験談である。2017年現在のダイビング業界とは大きく異なるので、「昔はそうだったのか」という気持ちで捉えてほしい。。
<Vol.1><vol.2><vol.3><vol.4>はこちら
厳しいITC、IEをクリアして、ようやくインストラクターになり、今まで以上に、仕事が楽しくなり、ツアーで各地の海を潜るようになった。その中でも、インストラクターになって良かったことを、発表していこう!
インストラクターをやっていると、老若男女問わず多くのダイバーと出会う。そして、仲が良くなったお客さん同士でツアーを組んだり、海へ行った帰りには打ち上げをしたりと、美味しいお酒が増える。その中でも、ツアー中にふとした事がきっかけで、付き合い始め、結婚までに発展したカップルが2組いる。結婚式や2次会に呼ばれたりと、人生の大事なイベントに、キューピッドとして役に立ったのは嬉しい限りだ!
ダイビング初心者だとマスククリア、耳抜き、船酔い、緊張、などのストレスで、必ずしも毎回楽しいダイビングが出来るわけではない。風が吹き、波が立ち始めると、経験が浅いダイバーやブランクダイバーの中には、潜るのが怖くなり、エントリーしたもののアンカーロープにしがみ付いてパニックになるダイバーもいる。その時の体験が元で、ボートダイビング自体に、強いストレスを抱える人もいる。ダイビングに来て、ボートまで乗って勿体無い気持ちも分からなくもないが、そういう時はエントリーを辞めるのも勇気だと私は思う。確実に楽しめる様に経験本数を重ねていけばいいのである。
先日も、座間味ツアーで、突如不安に襲われ潜れなかった経験のある中級ダイバーさんの復習講習でボートダイビングに行ってきた。ポイントに近づくにつれ、会話が減り、笑顔が減って、みるみる顔が曇り始めてきたが、落ち着かせて、時間を掛けて用意をし、しっかりと気持ちを作ってからエントリーすると、まるで何も無かったかのように、水深18mまでのアンカーまで潜降することができた。潜降するまでの間に、何度か不安になったようだが、目を閉じて深呼吸させ、身体と心のリズムが重なった時に、開眼したかの様に笑顔を取り戻して、楽しくダイビングを満喫していた。浮上してからも終始笑顔で「楽しい1日だった。これで仕事も頑張れる!」と言ってもらった。インストラクターにとって、この言葉が何よりのご褒美となる。
私がリゾートダイバーしていた時もそうだが、何年もインストラクターをしていると、馴染みの現地サービスさんができる。そのサービスさんも、私のスキルを何年も見てるので、細かい事は全く言われない。むしろ、こちらから積極的にそのサービスさんのお客さんのフォローをしたり、ボート上でも色々なお手伝いをする。セルフダイビングとまではいかないが、水中の世界では、自由にダイビングをすることができる。ただ単に浮いていたり、写真に集中したり、冷えを感じたら先に上がったりと、ガイドさんとハンドシグナルで確認だけを取れば、本当に贅沢で自由を感じられるダイビングができる。インストラクターならではの特権だと思う。
短期集中での、素人がインストラクターにまでなった話だったけど、楽しんで読んで頂けただろうか?5回構成でお送りしたのだが、もっと楽しいダイビングの話〜シリアスな話〜業界の闇に迫る話など、リクエストがあれば、公式Twitter@diving_obまで!!