〜素人がインストラクターにまでなった話vol.2〜
※これからのお話は、私がダイビングスタッフとして働いていた、2005〜2010年頃のダイビング業界の事情や体験談である。2017年現在のダイビング業界とは大きく異なるので、「昔はそうだったのか」という気持ちで捉えてほしい。
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ダイビングショップのスタッフは、実は〇〇職!
晴れてダイバーデビューした私だが、ショップスタッフとしては、まだまだスタートにも立っていない。私が入社したのは、都市型と言われるショップで、ライセンススクール、器材、ファンダイブを主に販売している会社であった。スーパー、コンビニの様に、引っ切り無しにお客さんが出入りする様なことはない。1日誰も来ないこともある。まだ、自分の顧客を持たない私は、来店予約を取った、先輩の営業方法を見学するのが仕事だった。見学しながら、営業トークや、お客さんのタイプを分析したりして、自分の営業スタイルを作り上げていくことになる。そう、ダイビングショップのスタッフは営業職だったのである。
直感型 or 緻密型 に分かれる
インストラクターの営業スタイルは、2つに分かれる。直感型と緻密型である。
直感型は、頭の中で必要な項目を考えていて、営業中のトークのタイミングを見計らって、自分の売り込みたいモノをスッと通す。身体からポジティブが漏れ出してる様な若いインストラクターはこのタイプが多い。
緻密型は、最初から最後まで、緻密なシュミレーションを何通りもして、万全の体制で臨み、自分の売り込みたいモノを紹介する。落ち着いていて、身体から安心感を醸し出しているインストラクターはこのタイプが多い。最終的には、お客さんのタイプに合わせて、両型を使い分けれる様に、経験を積んでいくことで、皆さんが想像しているインストラクター像へとなるのである。
突如目の前に現れた“お金”の壁
見学を繰り返して、ある程度の営業方法を把握すれば、まずは自分が自分の顧客になる。ライセンスのステップアップとMy器材の購入だ。ライセンスは趣味で潜る分には十分なアドヴァンスド(PADI)相当。器材は、軽器材、重器材、スーツ。特に重器材やスーツは、ピンからキリまであるが、仕事で使うものなので必然とハイスペックな器材を選ぶことになった。当時の総額で、社員割引を効かせても130万近くになったと思う。内訳は、ライセンス30万、軽器材10万、重器材70万、スーツ20万である。
自分のローンを組んで、ようやく入り口に立つ
私は、それまで大きな買い物をした事がなく、ローンを組んだ事がない。なので、ローンの仕組みもイマイチ分かっていなかった。そこで、次の仕事は、ローンのシュミレーションだった。仮想のお客さんの職業や生活スタイルや収支バランスを練り上げて、頭金を入れた場合はこの金額、頭金を入れなかった場合はこの金額、と何通りも計算する。実際のお客さんも、やりたい気持ちはあっても、お金が追いつかないと諦める人が多い。そんな時に、色々と提案できるようになるための下準備だった。シュミレーションをしていく中で、仕事と分かっていても、そこまでお金を出してまでやる気持ちがないスタッフは、ここでドロップアウトしていくことになる。
自分で納得のいくローンを組んで、ようやく、ダイビングショップのスタッフとしての入り口に立つのである。
この時に、ローンというものと徹底的に向き合ったお陰で、現在では、自営業の資金繰りや、キャッシュフローに役立っている。時間の問題は解決できないが、お金の問題はある程度解決できるのである。
Safe Diving, Enjoy Diving!!
次回「目指すはインストラクター試験!」に続く。