趣味はダイビング。海は大好き!と言いながら、乗り物酔いがひどい人は実は大勢いる。船酔い・波酔いは辛い、でもダイビングはしたい!!というダイバーはとても多いのだ。それほどまでにダイビングが楽しいアクティビティなのはもちろんだが、そうした「船酔いダイバー」達が悪戦苦闘してあみ出したノウハウがある。ダイビングを始めたはいいが、船酔いが辛い・・・、という人へのアドバイスを紹介!
乗り物酔いがひどいのに、それでも海に向かうダイバー達
実は私はまったく船酔いが無いタイプだ。ないどころか「三半規管がおかしい」と言われるくらいに全く乗り物酔いしない。
硫黄島(鹿児島県)に向かうクルーザーで、波高5mを超える荒波を突き進んでいようが、クルーザーの上部デッキで
「ジェットコースターみたーい!」と大はしゃぎする位鈍感だ。
しかし、ダイバー仲間の約半数といっても過言ではない数の人が「船酔いダイバー」なのだ。
全く船酔いしないタイプの私から言わせると、そんな辛い思いをしてまで何故?と思うくらい、すでに途中のバスで酔って真っ青になっている。もちろん、そんな思いをしてでも海に潜りたい!と思わせるまでに、彼らはダイビングに取り付かれているわけだが、全く船酔いしない人間だからこそ、そんな彼らが取っている対策をじっくり観察して見たのでご報告。
とにかく前へ前へ、位置も気持ちも前向きに!
「乗り物酔い」を克服する為には、まず、「酔ってしまうかも」という考えをすっぱり捨てるのが大前提だそうだ。「大丈夫、大丈夫、平気、平気」と思っているうちはまだまだとのこと。
「酔ってしまうかも」という気持ちを振り切ってしまうために、率先して騒ぐのも一つの手らしい。もしくは、これから見るであろう光景を思い浮かべて、「酔う」という感覚を徹底して忘れる努力をすることが大事なのだそうだ。また、ポイントまでの移動のバスなどの乗り物やボートの上では、進行方向の最前列を陣取ることも重要。
船酔いしてしまうから、という理由で、ボートのキャビンで横になるのは最大の悪手
新鮮な空気が吸えず、横になることで直に船の揺れを感じてしまうからだ。船酔いして気分が悪いから横になりたい、とは誰もが思うことだろう。しかし、それが更なる船酔いの悪化を招いてしまうのだ。だからこそ、「船酔いダイバー」は船の先端近くに位置取り、進行方向を見て、座ることが大切。
この際、直下の波を見てしまうと、酔いが酷くなるので、水平線あたりに視点を集中させるのがポイントだそう。
酔い止め対策は万全に!グッズを揃えておこう
今日はちょっと天候が悪いな。波が高そうだ。水中のうねりが酷そうだ。と思ったら、迷わず「酔い止め薬」が一番のオススメ。錠剤の場合は効くまでに時間が必要なので、エントリー前1時間くらいを目処に服用することを心がけよう。
特に海外でダイビングを行う際には、現地での調達は難しいため、前もって荷造りと一緒に入れておくこと。液体の酔い止め薬は即効性はあるものの、かさばる上に2,3回分しか入っていないので錠剤を準備しよう。また、手首に巻く酔い止めバンドなどのグッズもあるので、こちらも利用すると良いかもしれない。
普段は乗り物酔いはしない、という人も、慣れない場所での緊張から急に船酔いすることも考えられるので、予防として持っておくのも良いだろう。
開き直りも必要、「船酔いダイバー」にしかない恩恵もある!
それでも酔ってしまったら・・・。
水中でも迷わず吐く。吐いてすっきりすること。
レギュレーターをくわえたままでも吐くことはできるし、少しずらして呼吸を確保して吐くことも可能。吐いた後はパージボタンを押して、マウスピース部分についた吐しゃ物を吹き払うようにしよう。
よくバディになる友人も「船酔いダイバー」なのだが、「リバース(吐くこと)したら教えてね☆」と言っている。
何故なら、吐しゃ物をめがけて魚が集まるからだ。汚い、という感覚よりも、魚が集まって嬉しい!と思う気持ちが先にたってしまうのがダイバー特有の感覚のよう。むしろ、自ら撒き餌して、魚が集まって嬉しい!と思えたら、立派なダイバーの一員だ。
船酔いはダイビングにはつき物。案外周囲のダイバーも「リバース」を期待しているかもしれないので、むしろ自分の長所と考えて開き直ってプラス思考になった方が「船酔いに効く」らしい。