恋に落ちやすい要素が多く含まれるダイビング。海中でのドキドキを恋のドキドキと勘違いして思わず陥る吊り橋効果。手と手が触れ合えば、タッチング効果で恋心へと大変身。ナイトダイビングをすれば、暗闇の中でこれらの効果は3割増し。ダイビングは愛情を深めることができる素敵なスポーツではあるが、これが少し辛い恋になる可能性もある。今回は、ダイビングで辛い恋に落ちてしまいそうなあなたへ向けて語ろう。
ダイビングインストラクターへの恋の罠
長年、ダイビングをしていると、インストラクターに恋心を寄せる若者に出会うことがしばしばある。特に女子ダイバーに限って言えば、“憧れ”や“守られたい願望”が発動し、恋の罠にはまりがちになる。しかし、罠にはまるのは自分だけではなく、横にいる女子もそのまた横にいる女子も、罠にはまる予備軍かもしれない。例え、恋が成就しても、嫉妬や心配が絶えないことも少なくないだろう。
インストラクターはライセンスを取るまでに最低でも100本以上のダイビング経験があるため、ダイビングに慣れていて上手で当然だ。かっこよくて、頼りがいがあるように見えて当たり前なのである。講習生には褒めたり安心感を与えたり、海の楽しさを伝えることが仕事なのである。しかし、本当のプロならば、きっちり仕事をしながらも、むやみに恋心を抱かせないように振る舞うことを心得ている。ましてや、恋心を餌に集客しようとはしないだろう。恋人に嫉妬心を抱かせることもなく、男女に区別なく平等に振る舞い、ダイビングの純粋な楽しみを伝え、周りの人間を笑顔にしているはずなのだ。自分に向けられる甘い言葉や優しさを勘違いするのではなく、少し視点を変えてみると、ダイビングで自己肯定感に満たされる素敵な恋のお相手に出会え、ダイビングを楽しむことができるだろう。
ダイビングで恋のお相手の人間性を見抜け
麻雀やゴルフを一緒にすると、相手の性格がよくわかるという話を聞いたことはないだろうか。これは、ダイビングについても同じことが言えるだろう。ダイビングには、人それぞれの楽しみ方がある。何に対して感動し、興味を抱くのか相手のことを知るチャンスがあるのだ。
また、初心者から上級者まで一緒にダイビングをすることもあり、ダイビングスキルに対するプライドなども垣間見える。30代の初心者ダイバーが、20代の若いインストラクターに横柄な態度で教わっている様子や、上級者にありがちな無謀で勝手な行動などもある。とかく女性は、ダイビングスキルの高い男性に惹かれがちだが、ダイビングは本数をこなせば、それなりにスキルはついてくるものである。そこよりも、ダイビングを通じて解る人間性に着目した方が良いだろう。
さらに、船酔いなどの健康状態がすぐれない時の行動は、その人の性質が顕著に表れる。 一見スマートなエリート男性が、船酔いをしてしまい、船中に聞こえるような大きな嗚咽を繰り返して、船にいるダイバー全員を船酔いに巻き込みかけたことがあった。船酔いは仕方がないが、気遣ってくれている他のダイバー達にも横柄な態度で、どうしようもない天候にキレまくり、不機嫌なオーラを船中に振りまいていた。実に残念な事例だ。
ダイビングはさまざまな人間性を見ることができるスポーツではあるが、自分自身も見られていることを忘れてはならないことを念のためお伝えしておく。
ダイビングで築いた新婚夫婦の愛は深かった
グアムにダイビングで訪れた際、ハネムーンでダイビングに来ていた新婚夫婦と一緒になったことがある。夫婦がダイビングで知り合って結婚に至ったことは、ダイビングポイントへ向かう船で聞いていた。戻りの船で、私の向かいの席に座った夫婦は、2人で寄り添いながらうたた寝をしていた。すると、新婦がうたた寝しながら、鼻水とヨダレを同時に約30cm垂らしているのに私は気付いてしまったのだ。これは新郎に見られてはヤバイと思った私は、そっとティッシュを新婦に渡そうとポーチの中をゴソゴソ探っていると、新郎が先に目を覚まし、その長すぎる垂れた2本に気付いてしまったのだ。すると、新郎は何のためらいもなく素手でその2本をすくい取り、目覚めた新婦とクスクスと笑い始めた。人間性が丸見えになってしまうダイビングで、惹かれあった夫婦は、たとえ新婚であっても、絆が強固であるように感じてならない事例だった。
あなたはどんな人と、ダイビングの感動を共有したいですか?
そして、どんな人と、人生を共にしたいですか?