有給休暇まで取ってせっかくリゾートまで、ダイビングに来たのに台風に当ってしまった。あなたなら、どうするだろうか?! せっかく、来たのだから強引にダイビングしてしまうだろうか?!
今回は、この悪天候がダイバーに与える影響について考えてみたい。
まずは、悪天候がダイビングに及ぼす影響について考えてみよう。
雨によるダイビングへの影響
雨によるダイビングへの影響を考えてみよう。
透明度が落ちる
雨が降ると日差しがなくなり、また、川からの泥水の流れ込みで海の透明度が落ちてくる。視界も悪くなりバディを見失ったり、そのものがストレスとなるばかりでなく、リゾートダイビングで透明度がないほど面白くないものはない。
リゾートダイビングで、透明度が悪ければ大物を見るチャンスも激減し、壮大な地形を楽しむこともできないことがある。
気温や水温が下がる
雨が降ると日差しもなくなるために、水温が下がり始める。リゾートダイビング用のウエットスーツだと寒いこともあり、水中での寒さはどんどんあなたから体力を奪っていく。その寒さがストレスとなる。
また、ダイビングが終わってボートに上がってきた際も、気温が下がっているため体力を消耗する。ウインドブレーカーなどで寒さ対策が必要である。
さらに降り続く雨に打たれて、体温はどんどん奪われていく。このボート上での気温による体力の消耗は、2ダイブ目に行く前にかなりのストレスとなる。そんな中でのダイビングが楽しいわけはない。
風によるダイビングへの影響
悪天候による影響で雨でなく風の影響も考えなくてはいけない。
悪天候のときに高波やうねりの影響がでてくると、ボートの上での安定も悪くなりダイビング機材のセッティングも思うようにいかないこともある。そのことがストレスとなって、ダイビングに集中することもできないことがある。
また、水深10mくらいの場所は、この悪天候によるうねりの影響も受けやすく、水中でのバランスが取りづらく特に中性浮力がまだうまくいかない初級者のうちは、このことがステレスとなる。うねりの影響を受けた水中は、概ね、透明度も悪いことが多い。
リゾートダイビング特有の浅瀬でのダイビングでトロピカルフィッシュを見るなんて、このうねりの中では到底できない。
うねり
①高く低く波打ち,または曲がりくねって続くこと。うねること。 「山なみの-」
②波の山と山との間が長い,大きな波。台風・低気圧によっておこる。 「 -が高い」
引用先:Weblio 辞書
悪天候のときには潮流の変化にも注意する必要がある。悪天候のときは、気圧の変化から潮流に変化があることもある。当初予定していた潮の流れとは逆に流れることもあるため、十分注意が必要だ。
悪天候のときにダイバーが考えるべき大切なこと
悪天候が、ダイビングに影響を与えることはわかっていただけただろうか。
日本人ダイバーの多くは、欧米人の長期休暇と違って、有給休暇などを使い限られた休みの中でダイビングツアーに参加する方が多いと思う。
そうすると、どうしても「せっかく、ここまで来たんだから」「もったいない」などが頭を駆け巡って無理をしてダイビングを強行してしまうこともありがちだ。天候の判断は、ダイビングサービスの担当ガイドの決断に委ねよう。
ボクの経験から話しをすると、こういう悪天候のときのダイビングは水中ももはやリゾートのダイビングとはかけ離れた状況になっていることも少なくない。
潜らなきゃ良かったなんてこともあるくらいだ。
悪天候のときは、リゾートホテルでゆっくり過ごすのも良し、悪天候に左右されないアクティビティで遊ぶのもいいだろう。
そういうときのために、リゾートにダイビングに行くときは、悪天候も考慮に入れてそのようなアクティビティなども出発前に事前に調べておくことをオススメする。
悪天候でダイビングして悪い印象を残したままリゾートを後にするよりは、他の楽しみを見つけて良い印象で帰国すれば、また、そのリゾートに訪れるチャンスもあるはずだ。
とにかく、スキューバダイビングでは悪天候のときの無理は禁物である。無理をしたぶんだけ水中でのストレスが増して、事故に繋がることもあるから注意してほしい。
スキューバダイビングは、生涯スポーツと言われている。一回の悪天候を無理してダイビングするより、その後も続く長いダイビング人生を楽しんでほしい。