ダイビングでつながる世界

ついにきた!ダイビングインストラクター試験

ダイビングインストラクター試験

〜素人がインストラクターにまでなった話vol.4〜
※これからのお話は、私がダイビングスタッフとして働いていた、2005〜2010年頃のダイビング業界の事情や体験談である。2017年現在のダイビング業界とは大きく異なるので、「昔はそうだったのか」という気持ちで捉えてほしい。
<Vol.1><vol.2><vol.3>はこちら

前回の話でインストラクター試験の難関実技2種について話したが、それ以外にも山の様に試験項目はある。ちなみに、私のライセンスはBSAC発行のインストラクターライセンスだ。他団体でも同じ様な試験項目にはなっているが、詳細は各指導団体の公式情報で確認して頂きたい。

毎日課題が山積みなITCとIE

課題が山積みのダイビングインストラクター試験

ITC(=instructor training course)は、IE(=instructor examination)を受ける前のトレーニング合宿期間で、指導団体のトレーニング理論や各種コース概要、ダイビング障害、10分間のプレゼンテーションなどの学科と、4点ナビゲーション、800mフリッパー、10m潜水、初級ライセンス模擬授業評価、フルレスキュー評価、ロープワークなどの実技を約10日間で徹底して頭と身体に叩き込んでいく。この合宿が終わると、本試験のIEとなる。実技項目は、ITC中に、規定基準をクリアすることで、IEでは試験免除となる。朝から夕方までは、実技トレーニングを分刻みのスケジュールでこなし、夕方から夜までは、学科項目を学んでいく。休憩時間は、食事、入浴、睡眠時間のみだが、合宿期間中は、寝る間も惜しんで、学科実技の復習やイメージトレーニングに明け暮れる。

監督官はメンタリストか!?

一般のダイバーでもインストラクターになる為に、ITC、IEは店舗の上級インストラクターが開催し認定することはできるが、ショップスタッフの場合は、より厳しくチェックする為に、外部から監督官を招いての開催となる。私の時は、他店舗のスタッフさんとの2人での合宿で、監督官はインストラクターNo.2というダイビング歴30年以上の超ベテランで、数え切れないほどのインストラクターを認定してきた人だった。合格後に自分のインストラクターNo.が4291と確認できたので、この監督官が如何にもの凄い経験をしてきたのか窺い知れる。合宿中にも、こんな事があった。模擬授業中の私のデモンストレーションや進行具合、学科プレゼンテーション発表での、私の喋り方や癖、仕草をチェックし、そのチェックした内容から分析して、プライベートから恋愛観までをズバリと言い当てきた。本当にDaiGoに勝てるのでないかと思える程の様々な能力がズバ抜けた監督官だった。

難関学科はプレゼンテーション発表!

ダイビングインストラクター試験のプレゼンテーション

プレゼンテーションは、予め決められた内容を10分間で発表から質疑応答までをまとめる。短すぎても不合格、長すぎても不合格、聞き応えがなくても不合格、楽しくなくても不合格、分かりにくくても不合格、とにかく不合格になるチェック項目が多い難関学科だった。さらに、ショップスタッフならではの、ライセンスのステップアップ提案や器材の提案など、バックヤードを意識した内容も加味される。インストラクターの営業トークが上手いのは、この難関を突破してきたからなのかも知れない。私の時は、関西という土地柄、発表の中にも「笑い」の要素が必要だった。ダイビングインストラクターたるもの、エンターテイナーであれ!と格言めいたものを、この合宿中に良く言われたものだ。
IEは、ITC中に全ての項目をクリアすれば、ペーパーテストだけで終わるので、約半日で終了する。10日間の身も心も鍛えられる合宿が終了して、ようやくインストラクターとなり、ショップスタッフとして一人前になれるのだ。

インストラクターになって良かった3つのこと!!」に続く

Kamimura by
1982年生まれ。Kamimura家次男坊。既婚。 現在、平日はドッグトレーナー。休日はダイビングインストラクター。として活動。近い将来、夫婦で南の島へ移住計画中。終の住処は沖永良部の予定。ダイビングはもちろんSUPやヨガなども取り入れたライフワークを目指す。 Instagram ID:makanadive4291
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