ダイビングでつながる世界

ダイバーができる海のボランティア

ダイバーが出来るボランティア

皆さんは、ダイビングを通じて海の環境保全活動ができることをご存じだろうか。ある程度のスキルは必要になるが、ボランティアによっては、無料でタンクを借りることができ、社会貢献ができるのだ。

いろいろあるよ!海のボランティア

海の環境保全活動には、海底掃除やビーチや防波堤の掃除、珊瑚の修復・保全、アマモの移植、オニヒトデの駆除など様々な活動がある。アマモは、稚魚たちの餌となる小型の甲殻類などが集まるため、魚類の生育を促すらしい。東日本大震災で発生した津波により、アマモ場が消滅し、稚魚の数が激減したという話もある。関西・神戸では、小学生がアマモの苗を育て、それをボランティアのダイバーが海に移植するという、ダイバーしかできないボランティアもあるのだ。

海岸掃除のボランティア

オニヒトデの大量発生の問題は、ニュースやテレビ番組で聞いたことのある人も多いだろう。オニヒトデが魚の棲家になる珊瑚を食い荒らしてしまうのだ。オニヒトデの大量発生の原因は、生活排水による植物プランクトンの増加や、天敵のホラガイなどを捕獲したことなどが挙げられる。オニヒトデによる食害は、人間が生態系のバランスを崩した結果なのである。

珊瑚の天敵駆除

私は、過去にダイバーができるボランティアに参加したことがある。後からライセンスを取得した母が、中性浮力が完璧に出来るようになった頃の話だ。当時、私はダイバーができるボランティアの存在すら知らなかったが、たまたまテレビで知り、すぐに問い合わせてみたのだ。母と妹は、無料でダイビングができるという不純な気持ちで、すぐに話に乗ってきた。ボランティアの内容は珊瑚を食い荒らす巻貝を駆除するというものだった。

現地に着くと、ボランティア担当の方から駆除する巻貝について説明があった。駆除する貝の名前は、ヒメシロレイシダマシ・シロレイシダマシ・カブトサンゴヤドリ・トヨツガイ・クチムラサキサンゴヤドリ・・・覚えられない。取りあえず、色・形を目で見て覚えてエントリー。これらの貝は、集団を作り、日中はサンゴの隙間に潜み、夜になると珊瑚を集団で食するらしい。こんな小さな貝を見つけられるのだろうか、と疑問に思ったが海に潜るとすぐに珊瑚に付着した巻貝を見つけることができた。海の中は、うねりがあり、砂を巻き上げ、透明度も悪く、食べられた珊瑚が白い骨だけ残されているのが目についた。いつもは、ガイドさんに海の美しい場所へ、楽しませてもらえる場所へ、案内されていたのだと改めて感じた。

ダイバーとして海のあらゆる一面を知ること

エントリーして、まず気になったのが、母のダイビングスキルだ。フィンで珊瑚を壊すようなことがあれば、ボランティアに来ていながらにして、環境破壊に加担することになる。駆除するべきは、巻貝より母ということになってしまう。そんな心配をしながら、巻貝駆除を行った。時折、私の監視の目を察知した母は、マスクの中の目が怒っているようにも見えたが、結局、駆除した巻貝が1番多かったのは母だった。

ボランティアで美しい海を

ダイバーは、海の美しい世界を堪能できることが特権だが、こうした海の現実を目の当たりにできるのもダイバーにしかできないことである。美しい海の世界を知るからこそ、守りたいと思うのではないだろうか。そして、現実の海を知るからこそ、駆除されるようなダイバーではなく、マナーを守れるダイバーになりたいと思うだろう。中性浮力がしっかりとれるようになったら、是非ボランティアにも参加してみて欲しい。きっとまた、人生感が変わることだろう。

Angelique by
航空会社の元客室乗務員。現在、ライターとして活動中。 幼い頃に海中映像に心を奪われ、PADIオープンウォーターダイバー取得。 リゾートダイバーとして世界の海を渡り、8年のブランクを経た後、ダイバーとして復活。現在では、沖縄・四国・和歌山を中心に多くの趣味の合間にダイビングを楽しんでいます。お気に入りのダイブスポットは沖縄県宮古島。陸でも海でも洞窟が大好きな地形派ダイバーです。
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